佐野徹夜さん著、『この世界にiをこめて』を読ませていただきました。
こんにちは、ゆうじんです。
小説を読みました。
ちょっと前に佐野徹夜さんの『君や月夜に光り輝く』を読ませてもらって、
この方の本をもっと読んでみたいなぁって思ったので同じ作者さんの作品を続けて読ませてもらいました。
それが、『この世界にiをこめて』というタイトルの小説です。
いやー…
こういう展開は初めてだなぁって感覚でした。
今まで読んだキャラクター文庫って言うんでしょうか、恋愛小説って言うんでしょうか、そのようなカテゴリーをよく読んできたんですが
今回の『この世界にiをこめて』という作品は
ちょっと違う切り口の作品だったなぁって思います。
生きづらさを抱え、退屈な高校生活を送る僕に、ある日届いた1通のメール。
【現実に期待なんかしてるから駄目なんだよ】
でも、それは届くはずのないメール。送り主は吉野紫苑。彼女は、屈折した僕の唯一の女友達で、半年前に死んでしまった天才小説家だった。
あり得ないはずのメールのやりとりから、僕は失った時間を取り戻していく。やがて、遺された吉野の最後の言葉に辿りついた時、そこには衝撃の結末が待っていた。
引用:この世界にiをこめて
裏面に書かれているあらすじってやつでしょうかね。
主人公の男はちょっと軽薄な、そして、どこか自分本位な人間って感じかなぁ。確かに屈折している感じの人物でしょうね。
主人公も含めて主要な登場人物には特に恋愛感情なるものが薄い感じですね。
対比して脇役の登場人物はまさに青春って感じ。
その男の唯一の女友達の天才小説家が死んでしまってから…
物語がどんどん進んでいくっていく感じです。
物語っても現在と過去を行ったり来たり…
これがどこでどう合わさるのか?
などなど色々考えながら読み進めていきました。
「小説」をキーワードにしつつ、現実と小説の非現実、過去と今を交錯している感覚でした。
過去と今が時間の流れで横軸なら、現実と非現実が縦軸で、どこかで重なっているところが、自分たちのいるところ。
でも、そこは自分たちにはなんか生きにくい…だったら非現実に生きたい。
小説という非現実の中で生きていたい。
そんな感じなのかなぁ。
ちょっと複雑なんだけど、どんどん深みにはまっていく感覚な小説でしたねぇ。
読み進めていくと、この後の展開でどう決着をつけるのか?どうまとまるのか?ってドキドキする感じです。
それほど、最後までどういう終結が待っているかがわからない感覚の本でした。
最後は…どうなるんでしょうねぇ。ネタバレはしないようにします。
まぁ、単純な恋愛小説ではなく、ちょっと複雑なんだけど恋愛観や青春感はある感じかなぁ。
恋愛や青春が良くわからない主人公がどう感じていくのか?
「小説」をキーワードに色々な感情が入り混じるって感じでした。
この小説は他に似てる感覚のない内容でした。
そういった意味では斬新な感じでとても面白かったです。
また佐野徹夜さんの本を読みたくなりました。